冬の暖房費を抑える方法として、よく名前が挙がるのが電気毛布です。
「安いらしい」とは聞くものの、実際に1か月でいくらかかるのかを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
結論を先に言うと、シングルサイズを1日8時間・1か月使って約300円が目安です。
この記事では、その計算の根拠と、サイズごとの違い、他の暖房器具と比べたときの位置づけ、そして安全に使うために知っておきたい点をまとめます。
電気代の計算式
電気代は次の式で求められます。
消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量単価(円/kWh)
電力量単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている目安単価が31円/kWh(2022年に27円から改定)で、多くの製品カタログはこの数字を使っています。
ただし実際の単価は契約している料金プランや時間帯によって変わるため、正確に知りたい場合は検針票に記載されている金額を使ってください。
サイズ別の電気代の目安
電気毛布の消費電力は、サイズによっておおよそ次のようになっています(強で使用した場合の目安)。
| サイズ | 消費電力 | 1時間 | 1日8時間 | 1か月(8時間×30日) |
|---|---|---|---|---|
| シングル | 約40W | 約1.2円 | 約9.9円 | 約297円 |
| セミダブル | 約60W | 約1.9円 | 約14.9円 | 約446円 |
| ダブル | 約80W | 約2.5円 | 約19.8円 | 約594円 |
1か月使い続けても、シングルなら300円前後。
コーヒー1杯分程度の金額で、ひと冬の寝床の暖かさが確保できる計算になります。
なお、上の数字は「強」で使い続けた場合です。
実際には温まった後で「弱」や「中」に落とす使い方が一般的なので、これより安くなることのほうが多くなります。
他の暖房器具と比べるとどれくらい安いのか
1時間あたりの電気代で並べると、電気毛布の安さがはっきりします。
| 暖房器具 | 1時間あたりの電気代の目安 |
|---|---|
| 電気毛布 | 約1〜3円 |
| こたつ | 約3〜19円 |
| 電気ストーブ | 約12〜25円 |
| ヒーター | 約9〜37円 |
| エアコン | 約4〜38円 |
エアコンやヒーターと比べると、桁がひとつ違う場面もあります。
なぜ電気毛布はこれほど安いのか
理由はシンプルで、部屋ではなく体を直接温めているからです。
エアコンやヒーターは、部屋の空気全体を暖めます。
空気を暖めるには大きなエネルギーが必要で、しかも窓や壁から熱が逃げ続けるため暖め続けなければなりません。
一方、電気毛布が暖めるのは布団の中という狭い空間だけ。
逃げる熱が少ないぶん、小さな電力で済みます。
同じ理由で、電気毛布は「部屋を暖める道具」としては使えません。
あくまで寝るとき・座っているときに体を温めるための器具だと考えてください。
いちばん効果が出る使い方:エアコンと組み合わせる
電気毛布だけで冬を越すのは現実的ではありませんが、エアコンと組み合わせると効果が大きくなります。
就寝時にエアコンの設定温度を下げる(あるいは切る)かわりに電気毛布を使うと、暖房費の大きい部分を安い器具で置き換えられます。
前述のとおりエアコンは1時間あたり数円〜数十円かかるのに対し、電気毛布は1〜3円。
寝ている8時間をまるごと置き換えれば、差は1日あたり数十円〜百円以上になります。
日中も、デスクワーク中にひざ掛けとして使えば、部屋の設定温度を1〜2℃下げても体感が落ちにくくなります。
使う前に知っておきたい3つの注意点
安いからといって無制限に使っていい器具ではありません。
次の3点は押さえておいてください。
1. 低温やけど
44〜50℃程度の「熱いと感じない温度」でも、長時間同じ場所に触れ続けると低温やけどを起こすことがあります。
就寝中は特に気づきにくいため、高温のまま一晩使い続けるのは避けてください。
2. 寝ている間の脱水
長時間暖められ続けると、汗をかいて水分が失われます。
就寝中は自覚しにくいため、寝る前にタイマーを2〜3時間後にセットして切れるようにする、あるいは寝る前に布団を温めておいて就寝時にはオフにする、という使い方が安全です。
3. 切り忘れ
外出時や日中の切り忘れは火災につながる恐れがあります。
タイマー機能のある製品を選ぶ、スイッチの位置を目につくところにする、といった対策をしておくと安心です。
おすすめの使い方
寝る30分前にスイッチを入れて布団を温めておき、就寝時に切る。
これなら電気代はさらに下がり、低温やけども脱水も避けられます。
電気毛布を選ぶときに見るポイント
- タイマー機能の有無
安全面でもっとも重要です - 丸洗いできるか
肌に直接触れるものなので、洗えるタイプが扱いやすくなります - 敷きタイプか掛けタイプか
敷きタイプのほうが体に熱が伝わりやすく、同じ温度設定でも暖かく感じます - サイズ
一人で使うならシングルで十分。大きいほど消費電力も上がります
まとめ
- シングルサイズを1日8時間・1か月使って約300円が目安
- 他の暖房器具と比べると1時間あたりの電気代は桁がひとつ違う
- 安いのは「部屋ではなく体を直接温めている」から。部屋の暖房の代わりにはならない
- エアコンと組み合わせて、就寝時の暖房を置き換える使い方が効果的
- 低温やけど・脱水・切り忘れに注意。タイマーを活用する
よくある質問
つけっぱなしで寝ても大丈夫ですか?
機器として問題があるわけではありませんが、低温やけどと脱水のリスクがあるため推奨されません。
タイマーで2〜3時間後に切れるようにするか、就寝前に布団を温めておいてオフにする使い方が安全です。
電気毛布だけで部屋の暖房をやめられますか?
A. 布団の中や座っている場所は暖かくなりますが、部屋の空気は暖まりません。
室温が極端に低い状態は体への負担になるため、部屋の暖房を完全に置き換えるのではなく、設定温度を下げるための補助として使うのが現実的です。
洗濯できますか?
製品によります。
コントローラーを取り外して丸洗いできるタイプが増えていますが、必ず取扱説明書を確認してください。
洗えないタイプを無理に洗うと内部の電熱線を傷めます。












